抄録
生体材料の表面にある種のリン酸カルシウムを形成させると、同材料に生体親和性と骨結合能を付与することができる。発表者らは近年、液相レーザープロセスを利用して、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)基板表面の目的の部位にリン酸カルシウムを形成させる技術を開発した。同プロセスでは、リン酸カルシウム過飽和溶液(CP液)中に設置されたEVOH基板の表面に非集光のNd-YAGレーザー光を30分間照射する。その結果、EVOH基板上のレーザー光照射部位にリン酸カルシウムが形成される。同プロセスは簡便かつ迅速であるので、医療現場でも利用可能な生体材料の表面改質技術として有用と期待される。本研究では、人工骨や人工歯根などの材料として臨床応用されているチタン金属に対し、上記の液相レーザープロセスの適用を図った。