抄録
これまでに我々は、硝酸塩および硫黄を原料として水熱合成した銅添加ヒドロニウムアルナイトが、室温にて波長約414 nmにピークを有する青紫色の発光を示すことを見出した。また、原料を硫酸塩に変更することによって発光強度が増大することを報告した。この青紫色の発光は、結晶中に含まれる一価の銅イオンと結晶水が深く関係しているものと考えている。本研究では、発光強度と結晶水の関係について調査した。フォトルミネッセンスにて発光強度を調査した後、熱重量分析を行い結晶水の量を求めた。その結果、発光強度は600℃以下で脱離する結晶水の量が少ない程大きいことが明らかになった。