抄録
カルコゲン化物ガラスは赤外透過材料や赤外発光材料への応用が期待されている。またこのガラスにハロゲンを添加することによって光学特性およびその他特性の改善が期待される。しかしながら、ハロゲン添加した系におけるガラス形成やその物性についての系統的な研究は十分でない。そこで、我々はこれまでに比較的容易にガラスを形成するGeS2-Sb2S3系でGeS2の一部をハロゲン化セシウムCsX (X=Cl,Br,I)で置き換えたガラスを作製し、ガラス形成や様々な物性について調査した。CsCl、CsI置換でそれぞれ25 mol%、30 mol%までガラス化した。GeS2-Sb2S3-CsX (X=Cl, I)のガラス転移温度はCsX含量が増加すると単調減少した。密度はCsX含量が増加すると単調増加した。また、吸収端や屈折率の測定も行った。