Journal of Pharmaceutical Communication
Online ISSN : 2759-3088
Print ISSN : 2758-2035
原著論文
薬局薬剤師のオンライン服薬指導の現状と意識調査
神田 紘介常松 萌絵
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2025 年 23 巻 1 号 p. 6-15

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抄録
感染症拡大時の接触回避、業務効率や医療の質の向上を目的として、遠隔医療の普及が進められている。改正された薬事関係法規により薬剤師も、オンライン服薬指導を実施することが可能になっており、従来の対面での服薬指導に加え、オンライン服薬指導を活用し、効果的な服薬指導を実施することが推進されている。現在、普及への過渡期にあるが、その実態は明らかでない。オンライン服薬指導を行う環境・機器の整備状況と実施状況、薬局薬剤師のオンライン服薬指導を業務に取り入れることへの姿勢を明らかにするために、薬局薬剤師に調査を行った。勤務する薬局にオンライン服薬指導の機器や環境が整備されていると回答した者は2割程度であり、20店舗以上の法人の薬局に多く整備されていた。オンライン服薬指導の環境や機器が整備されている薬局に勤務する薬剤師のうち、実施している者は4割程度であり、感染症患者への服薬指導だけでなく、患者からの相談対応や投薬後のフォローアップなど医療の質の向上を目的として実施されていた。また、実施することが、オンライン服薬指導を業務に取り入れることに肯定的であることの要因であることが示唆された。さらに、若年の薬剤師ほどオンライン服薬指導を業務に取り入れることの姿勢は、肯定的であるが、年齢が上がるにつれ、その割合は下がることが明らかになった。
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© 2025 日本ファーマシューティカルコミュニケーション学会
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