日本PDA学術誌 GMPとバリデーション
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EU-GMP Annex 11: Computerised Systems へ対応するための留意点
日本 PDA 製薬学会 電子記録・電子署名委員会  
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2011 年 13 巻 2 号 p. 56-69

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抄録
  「EudraLex, The Rules Governing Medicinal Products in the European Union, Volume 4, GMP, Medicinal Products for Human and Veterinary Use, Annex 11: Computerised Systems」(以下,Annex 11)は,医薬品製造にコンピュータ化システムを利用する際に最も注目すべき重要なガイドラインであるが,現行 Annex 11 は 1992 年に公表されたものであり,近年の情報処理技術の発展に伴い,製造現場の管理にはそぐわない内容となっていた。そこで EC では,2008 年 4 月に Annex 11 改訂案を示すとともに,パブリックコメントを募集したが,多くのコメントが寄せられたこともあり,2011 年 1 月にようやく Revision 1 が公開された。
  Annex 11(Revision 1)への対応の期限は 2011 年 6 月 30 日とされており,日本でも,欧州向け医薬品を製造,輸出している製造業者等においては,早急な対応が求められている。
  日本 PDA 製薬学会 ERES 委員会では,この新 Annex 11 について,国内医薬品関連業者における理解を促すための仮訳を行うとともに,理解に窮するような条文に対する解釈,または日本におけるコンピュータ化システムに関する新ガイドライン(医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン,2010 年 10 月公表,2012 年 4 月施行)との相違等の視点から検討した。
  本報告は,新 Annex 11 の対応期限(6 月末)より前に情報発信することを目標として,和訳はあくまでも仮訳に留め,最も重要と思われる点についてのみ記述したものである。今後,当委員会では,更に詳細な条文解釈や具体的な対応事例の検討し,情報発信していく予定である。本稿が国内医薬品関連企業における新 Annex 11 理解の一助となれば幸いである。
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© 2011 日本PDA製薬学会
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