日本PDA学術誌 GMPとバリデーション
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一般論文
未来は今にある:組み換えカブトガニファクターCに基づく持続可能な試薬を用いるエンドトキシン(内毒素)試験
グレゴリー ディブルダーケビン ウィリアムス
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2020 年 22 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

放射性医薬品試験用にLAL.(カブトガニの血球抽出成分の試薬:Limulus Amebocyte Lysate)の精密な試験利用が見出されて以来,幾つかの方法論上の変化が過去50年で生じてきており,それらには,注射薬治療を受ける患者達の発熱反応を妨げる一方法としてLAL試験が兎の発熱試験(RPT)に取って代わった事が含まれている。

目的:LAL試験に変わる方法として,本報告では,組換えC因子(rFC)すなわちカブトガニ(HSC)のC因子に基づく遺伝子配列から作成されるクローン化等価蛋白質を用いた試験法を紹介する。

rFC法の主な利点を以下に示す。

 (a) 持続的に供給可能である。

 (b) バイオセンサーの特異性が高い。

 (c) ファクターGを含まないためベータ-グルカン反応性がない。

 (d) エンドトキシン検出に対する感度が良好である。

 (e) 自動化が可能である。

 (f) テスト環境の簡素化が可能である。

 (g) バリデーションが容易である。

結論:rFC法の有用性は既に実証されており,一方,環境変化によるカブトガニの死滅は,不可避であるため,カブトガニの継続的な使用は不可能である。医薬業界はこのLALからrFC法への切り替えに備えるべきである。そして,この必要性は規制機関によっても明確化されている。

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