2020 年 22 巻 1 号 p. 1-5
放射性医薬品試験用にLAL.(カブトガニの血球抽出成分の試薬:Limulus Amebocyte Lysate)の精密な試験利用が見出されて以来,幾つかの方法論上の変化が過去50年で生じてきており,それらには,注射薬治療を受ける患者達の発熱反応を妨げる一方法としてLAL試験が兎の発熱試験(RPT)に取って代わった事が含まれている。
目的:LAL試験に変わる方法として,本報告では,組換えC因子(rFC)すなわちカブトガニ(HSC)のC因子に基づく遺伝子配列から作成されるクローン化等価蛋白質を用いた試験法を紹介する。
rFC法の主な利点を以下に示す。
(a) 持続的に供給可能である。
(b) バイオセンサーの特異性が高い。
(c) ファクターGを含まないためベータ-グルカン反応性がない。
(d) エンドトキシン検出に対する感度が良好である。
(e) 自動化が可能である。
(f) テスト環境の簡素化が可能である。
(g) バリデーションが容易である。
結論:rFC法の有用性は既に実証されており,一方,環境変化によるカブトガニの死滅は,不可避であるため,カブトガニの継続的な使用は不可能である。医薬業界はこのLALからrFC法への切り替えに備えるべきである。そして,この必要性は規制機関によっても明確化されている。