2026 年 108 巻 1 号 p. 25-29
【緒言】膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)の手術適応を判断するうえで,壁在結節の血流情報は重要であるが,最適な診断法は確立されていない.本研究は,IPMNの壁在結節に対するDetective Flow Imaging(DFI)を用いた血流診断能を検討した.【方法】2021年4月から2025年5月までに,壁在結節を伴うIPMN外科切除例にDFI-EUSを施行した22例を対象とした.患者背景,画像所見,病理診断結果を後方視的に解析した.【結果】年齢中央値73歳(46-83),女性8例であった.病型は分枝型8例(36%),混合型6例(28%),主膵管型8例(36%)であり,壁在結節長径中央値は5.8 mm(2.1-27 mm)であった.DFI-EUSによる壁在結節の血流検出率は82%(18/22)であった.造影CTは20例に施行され,血流検出感度は35%(7/20)であった.最終病理診断はIPMC 11例,IPMA 11例であり,それぞれの血流検出率はDFI-EUSでIPMC 82%,IPMA 82%,造影CTでIPMC 45%,IPMA 22%であった.【結語】IPMN切除例におけるDFI-EUSは,壁在結節の血流検出率が造影CTと比較して高く,有用な血流診断法であった.一方で,血流の有無のみでは良悪性の鑑別は困難であり,さらなる症例の集積と検討を要する.