Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
千葉県北東地域における胃アニサキス症の臨床的検討
中島 賢一山口 武人尾高 健夫林田 典子平野 繁樹新保 泉山口 和也税所 宏光
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キーワード: 胃アニサキス症
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2001 年 58 巻 2 号 p. 40-43

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抄録
 1994年から1999年までに千葉県北東地域において経験した胃アニサキス症17例の臨床的特徴について臨床的検討を行った。感染原魚は鰯が多く7例(41.2%),以下鰹2例(11.8%)であった。好発時期は12月から5月に多く鰯の旬の時期と一致した。当地域は銚子漁港の近隣に位置し,新鮮な鰯を食する機会が多いためと考えられた。発症時刻は夜間が14例(82.4%),臨床症状は上腹部痛が最も多く16例であった。1例は腹部のはり感だけを主訴としていた。また発症から来院までの時間は半日以内が12例(70.6%)であったが2日以上経過して来院する症例も3例(17.7%)あった。通常胃アニサキス症は急激な上腹部痛で発症し,早期に来院する症例が多いが非典型例も少なからず存在するため十分な問診が必要と考えられた。虫体数は1匹が15例(88.2%)ともっとも多かったが,2匹1例(5.9%),4匹1例(5.9%)と多数認める症例もあった。胃内付着部位は体部が14例(82.4%)と最も多かった。粘膜所見としては局所の虫体の刺入,浮腫,びらん,発赤,及び随伴粘膜のびらん,凝血塊の付着,表層性胃炎を認めた。問診より胃アニサキス症が疑われる症例では体部を中心とした詳細な粘膜所見の観察が必要である。
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© 2001 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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