抄録
内腔突出型のGIST2症例を経験したので報告する。症例1は51歳,女性。内視鏡検査にて胃体上部後壁に直径約2cm大の腫瘍を認めた。内視鏡下留置スネアーにて緊縛,切離した。腫瘍に中心部壊死なく,境界明瞭であった。組織学的には紡錘状の核を持ち,核分裂像はなく,免疫組織学的にはCD34,c-kit陽性,S-100,αSMAが陰性であり,gastrointestinal stromal tumor(GIST,uncommitted type)と診断した。症例2は71歳,男性。内視鏡検査にて胃体中下部前壁に中心部陥凹性壊死を有する充実性腫瘍を認めた。悪性腫瘍を否定できないため,リンパ節郭清を伴う幽門側胃切除術を施行。免疫組織学的検査ではCD34,c-kit,S-100,α-SMAいずれも陽性であり,GIST(combined type)と診断した。GISTの病理診断は近年増加傾向にあり,その臨床学的意義について文献的考察を加えて報告する。