Progress of Digestive Endoscopy
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内視鏡の器械と技術
出血性胃十二指腸潰瘍に対するショートクリップ止血術の臨床的検討
飯塚 雄介武雄 康悦鈴木 修司原田 信比古田中 精一林 恒男鈴木 衛羽生 富士夫星野 容子小西 洋之岸野 真衣子内山 めぐみ中村 真一光永 篤大井 至白鳥 敬子
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2004 年 65 巻 2 号 p. 25-27

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抄録

 ショートクリップ止血術を行った一連の消化性潰瘍41例につき臨床的検討を行った。クリップを潰瘍底に掛けられたのは33例で,残りの8例(19.5%)は潰瘍底が硬いためクリップを掛けられなかった。潰瘍底にクリップを掛けられた33例のうち32例は初回止血に成功,うち29例では永久止血が得られたが3例で再出血を認めた。クリップを掛けられたにも拘らず止血出来なかった1例ではHSEの局注を行うも止血困難であった。クリップが掛けられなかった8例のうち,3例はForrest分類Ⅱaでそのまま自然止血,2例はヒータープローブで1例はHSEで永久止血,残り2例は他の止血法を併用するも初回止血が困難であった。ショートクリップは潰瘍底が硬い場合には掛けられないことがあり,全ての出血性胃十二指腸潰瘍をショートクリップ単独で治療するのには限界があると考えられた。

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© 2004 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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