抄録
Endoscopic Submucosal Dissection(ESD)にて一括切除を行った早期胃癌および腺腫21例(男12例,女9例,平均65.5歳),22病変を対象として,その質的診断,量的診断,範囲診断における拡大内視鏡観察の有用性について検討した。質的診断においては微小血管像(八尾分類)の特徴と粘膜の表面微細構築像を観察し,分化型で微小血管の特徴を10/12例(83%)に認め,胃腺腫においては病変の領域を示すA demarcation lineを5/5例(100%)に認めた。また未分化型では粘膜構造が破壊された模様(destructive pattern)を4/5例(80%)に認め,今後,組織型の判別が可能になる可能性が示唆された。又範囲診断においては,拡大内視鏡導入前のESDの側方断端陰性5/55例(83.6%)に比べ,拡大内視鏡導入後の側方断端陰性0/22例(100%)と良好な成績を得ることができ術前の拡大観察は必須と考えられた。