抄録
早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除術(EMR)の普及に伴い,EMR施行後の経過観察において,異時性多発病変を早期に発見し,再度EMRを施行することが望ましい。当院における早期胃癌EMR後の異時性多発癌の発生率は2.1%で,その多くは初回病変治療後5年以内に発見されたが,初回病変治療後8年目に発見される症例も存在した。また,多発病変は,初回病変と同じ組織型が含まれることが多く,初回治療部位より口側に多くが発生していた。このことに留意して経過観察を行い,患者QOLを損わずに治療を行うことが重要であると考えられた。