Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
当院で経験した大腸内視鏡検査中の大腸穿孔の検討
飯塚 春尚小野里 康博石原 弘佐川 俊彦森 一世新井 弘隆高山 尚阿部 毅彦吉村 純彦坂元 一郎吉成 大介冨澤 直樹小川 哲史茂木 厚伊藤 秀明
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2006 年 68 巻 2 号 p. 62-66

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抄録
【目的】大腸穿孔は急速に汎発性腹膜炎から敗血症に移行していく危険があり,原則的には緊急手術の適応であるが,特定の症例であれば保存的治療が可能であると思われる。当院での大腸内視鏡検査中の穿孔例について,穿孔原因別に比較検討し,大腸穿孔に対する保存的治療の適応を検討する。【対象】平成8年から平成16年までに大腸内視鏡検査15,773件中穿孔を来たした9例を対象とした。【結果】死亡例はなく挿入時穿孔3例,治療時穿孔6例であった。挿入時穿孔は全例汎発性腹膜炎のため6時間以内に緊急開腹手術を行なった。入院期間は平均24.3日で軽快退院した。治療時穿孔は2例に腹腔鏡下腸切除術を行ったが,術中腹腔内所見が軽度であり,入院期間は平均12.5日で挿入時穿孔より短かった。その後の治療時穿孔4症例は保存的治療を行ない,全例軽快した。治療法として,抗生剤投与,禁食(飲水は少量可),症例によって経肛門的減圧チューブを使用した。腹痛や発熱を認めた症例もあったがその他合併症はなかった。入院期間は平均9.8日であった。挿入時穿孔は穿孔径が大きく内視鏡的処置が不可能であったが,治療時穿孔のうち保存的治療を行った症例はすべてクリップ縫合が可能な穿孔径の小さな症例であった。【結論】大腸穿孔のうち治療時穿孔は特定の症例では保存的治療が可能な場合があることが示唆された。
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© 2006 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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