Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
経鼻内視鏡の有効性と問題点
吉野 雅則吉野 雅武小山 雅章小峯 修水谷 聡坊 英樹尾形 昌男渡辺 昌則徳永 昭
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2007 年 70 巻 2 号 p. 27-30

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抄録
 経鼻的上部消化管内視鏡検査(以下,経鼻内視鏡)は内視鏡が舌根に触れないため,咽頭反射,嘔吐感をほとんど起こさず,鎮静剤・鎮痛剤も不要なため安全かつ苦痛の少ない検査である。また,経鼻内視鏡中は会話が可能であるため,検査中の被験者の精神的不安が少ない。一方で,鼻腔通過時の疼痛・出血などの合併症,鼻から内視鏡を入れられるという被験者の恐怖心,解像度が劣ることによる病変発見率の低下という問題点を抱えている。今回,鼻出血などの合併症の減少,汎用されている経口内視鏡に劣らぬ病変発見率を目的とし,挿入鼻腔の選択を含む前処置,および検査方法について検討した。
 経鼻内視鏡導入当初は一律に右側鼻腔を第一選択として挿入を試みていたが,問診,鼻鏡観察,通気の良さを考慮して挿入鼻腔を決定するようにしてから鼻出血の頻度が減少した。胃癌発見率は諸家の報告に比べても遜色はなかったが,より見落としを減らすために全例にインジゴカルミン散布を行なったところ,検査時間は延長したが「検査時間が長い」と意識した被験者はみられなかった。
 今後,経鼻内視鏡はCCDの小型化による細径化など機器の進歩とともに,適切な挿入鼻腔の選択,色素散布を用いた十分な観察を行なうことで,検診,ドッグなどのスクリーニング検査において一層の普及が見込まれる。
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© 2007 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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