抄録
大腸癌イレウスは全大腸癌の3.1~15.8%とされており,稀な病態ではない。従来大腸癌イレウスは緊急手術の適応であるが,金属ステント(expandable metallic stent:以下,EMS)留置術を行うことで,経肛門的減圧ができ,待機手術が可能となる。症例を選べば,EMS留置後に腹腔鏡下大腸切除術(laparoscopic assisted colectomy:以下,LAC)も可能である。今回,大腸癌イレウスに対し,EMS留置後に,LACを施行した症例を経験したので報告する。当科での手術可能な大腸癌イレウスに対するEMS留置例は108例であり,99例で成功し,9例でLACを施行した。症例は45~93歳。男性5例,女性4例で,S状結腸癌7例,直腸S状部癌1例,横行結腸癌1例であった。EMS留置期間は6~13日でD3郭清を伴うLACも可能であった。
イレウス症例では,拡張した腸管により術野が妨げられ,LACは適応外とされているが,EMSを留置することにより,腸管減圧や腸管浮腫軽減により,LACへの適応拡大が可能であった。