Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
線維化病変に対する大腸ESDの検討
石川 寛高為我井 芳郎千野 晶子岡田 和久今井 瑞香岸原 輝仁浦上 尚之山本 頼正土田 知宏藤崎 順子五十嵐 正広
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キーワード: 大腸ESD, 線維化
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2013 年 82 巻 1 号 p. 64-67

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抄録
 大腸ESDの適応と限界を明らかにする目的で,粘膜下層に高度な線維化を伴う病変の臨床病理学的特徴を検討した。対象は,2011年3月〜2012年4月に大腸ESDを施行した110例110病変のうち,粘膜下層に線維化を認めた23例の内視鏡像をretrospectiveに検討し,ESDによる一括切除の成否を分けた要因を分析した。高度線維化は9例に認められ,5例は一括切除が可能であったが,4例で分割切除あるいはESDの中止を余儀なくされた。一括切除例5例の内訳は,LST-NG:2例,LST-G:2例,Isp:1例で,pit patternは全例ⅤI軽度不整,深達度はpM癌3例,pSM1癌2例であった。分割切除/中止4例の内訳は,LST-NG:1例,LST-G:2例,Isp:1例で,pit patternはⅤI軽度不整2例,ⅤI高度不整2例,深達度はpM癌2例,pSM2癌2例で,ⅤI高度不整の2例がいずれもpSM2癌であった。手技的側面からの検討では,一括切除例5例では線維化領域における剥離線の設定が可能であったが,分割切除/中止の4例では剥離線の設定が困難であった。
 以上よりⅤI高度不整を呈する高度線維化例は,根治的ESDの適応外であるSM高度浸潤癌の可能性が高く,撤退を考慮する指標になると考えられた。また高度線維化病変に対する一括切除の成否は,線維化領域の剥離線の設定が可能か否かによると考えられた。
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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