Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
上部消化管内視鏡治療時の鎮静効果〜事前予測因子の検討〜
清水 智樹山本 頼正富田 英臣岡本 恒平堀内 裕介石川 寛高松尾 康正吉澤 奈津子大前 雅実石山 晃世志平澤 俊明土田 知宏藤崎 順子五十嵐 正広
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2013 年 83 巻 1 号 p. 51-55

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抄録
上部消化管内視鏡治療時の麻酔として,一般的に鎮静剤〔benzodiazepine(BZ)系など〕と鎮痛剤が併用されるが,時に効果不十分な症例を経験する。その際,haloperidol(HLP)やpropofolが使用されるが,どの症例で効果不十分となるかは明確になっていない。鎮静不十分となる症例の予測因子を明らかにすべく,HLP追加投与を要した症例の解析を行った。2011年11月〜2012年6月に当院で専門医が内視鏡的粘膜下層剥離術を施行した,単発の食道・胃の上皮性腫瘍性病変169例を対象とした。Midazolam(MZ)+pethidine hydrochloride(PH)で鎮静した群152例(90%)とMZ+PHにHLPを併用した群17例(10%)の2群でそれぞれの臨床像を比較検討した。HLP併用群では,有意に平均年齢が低く,男性が多く,体表面積が大きく,1年以内の飲酒・喫煙歴を有し,食道病変が多く,病変径も大きかった。また,術前内視鏡時からMZ,PHを多く要し,治療時もPH投与量が多く麻酔時間が長かった。有意差を示した項目に対してさらに多変量解析を行った結果,有意な独立因子は,①60歳未満,②病変径30mm以上,③術前検査時のMZ投与量≧0.06mg/kgの3点であった。これらはMZ+PHによる鎮静が不十分となることを予測する因子として有用である。
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© 2013 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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