2014 年 84 巻 1 号 p. 52-55
今回,我々は当院で経験した膵粘液性囊胞性腫瘍(mucinous cystic neoplasm : MCN)16例の臨床病理学的所見に関してretrospectiveな検討を行った。
年齢中央値は62歳,男性 : 女性=1 : 15。6例が有症状,10例が無症状で発見された。平均腫瘍径は54.8mm,局在は頭部 : 体部 : 尾部=1 : 7 : 8例であった。EUSでは全例が境界明瞭な類円形の形態を呈し,単房性12例,多房性4例であった。内部の隔壁構造を6例,囊胞内囊胞を6例,点状エコーを2例,壁在結節を7例,石灰化を3例に認めた。ERPでは4例が正常膵管像,11例が腫瘍による主膵管圧排像であった。切除標本の病理検討では4例が悪性であった。悪性例は年齢中央値が高く,平均腫瘍径が大きく,壁在結節高が高かった。