日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第67回春季研究発表大会
セッションID: D-06
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遠隔コミュニケーションを伴う共創におけるプロトタイピングの価値
*三野宮 定里原田 泰
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抄録

本研究では北海道森町にある製材会社をフィールドに、場担当者の目線で様々な業務を体験、理解し、必要と思われるシステムのプロトタイピングを通して、将来の企業ビジョンや業務のあり方の可能性を示すような活動支援システムの提案を行った。筆者らは製材会社の職場に長期間にわたって滞在し、現在の人々の営み、使用しているツールと人のかかわり、図面と実際の木材加工の対応、各業務の専門性や技術などを観察し、これらの特徴をつかんだ上でアプリケーションの試作を行った。製材会社が抱える高い専門的な知識をツールに落とし込むためには社員との密なコミュニケーションが必要であったが、製材会社は北海道森町、第一筆者は京都府京都市、第二筆者は北海道函館市に活動拠点をおいていたため、長時間、高頻度なコミュニケーションは難しいという課題があった。そこで「かたちにして試す」アプローチをとり、未完成ながらもまずは簡単なアプリケーションを試作し、共有することを行なった。結果、デザイナーは専門的な知識を聞き出し、プロジェクトを漸進させることができた。本実践により遠隔コミュニケーションのおけるプロトタイピングの有効性が示唆された。

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