Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
腸管洗浄液の胃内洗浄効果に関する臨床研究
田崎 修平
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2015 年 86 巻 1 号 p. 49-52

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抄録
Helicobacter pyloriH. pylori)陽性の慢性胃炎患者では,粘稠な粘液が胃壁に付着し,胃内の内視鏡観察に支障を来すことが多い。内視鏡観察が支障なくできる新たな洗浄法を開発する目的で,大腸内視鏡検査で使用される腸管洗浄液(polyethylene glycol electrolyte lavage solution : PEG)を用いる胃内洗浄効果を検討した。
 内視鏡検査前にPEGでの使用をあらかじめ患者に説明して同意の上,署名を得た症例のうち,粘液が多く観察困難なH. pylori陽性の慢性胃炎患者で,粘稠な胆汁や残渣が胃壁に付着している40例を対象とした。
 前処置として洗浄液〔蛋白分解酵素(プロナーゼMS),重炭酸ナトリウム,ジメチコン(ガスコンドロップ内服液,以下,ガスコン),水50ml〕を内服させ,従来のガスコン水による洗浄液群(コントロール群)とPEG群に無作為に割り付けて散布洗浄し,5分後に胃体部大彎の洗浄効果をスコア化して前向きに比較検討した。判定基準は5段階にスコア化し,5分後に散布洗浄前後の効果を判定した結果,PEG群はコントロール群より有意に良好な洗浄効果を認めた。
 粘稠な粘液や胆汁残渣が胃壁に付着した内視鏡観察困難な患者に対するPEG法は,新たな洗浄法として期待できるものと考えられた。
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© 2015 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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