2017 年 91 巻 1 号 p. 44-46
放射線胃炎についての報告は少なく,ときに内視鏡治療抵抗性の難治例が散見されるが,その臨床的特徴についての十分な検討はなされていない.今回われわれは,肝細胞癌放射線治療後症例を対象に,肝硬変症例における放射線胃炎の臨床的特徴に関する遡及的検討を行った.放射線胃炎は肝硬変症例12例中6例に認め,腹部リンパ節照射後に有意に高率であった.発症時期は放射線照射終了後3〜3.5カ月であり,内視鏡所見は前庭部のびまん性毛細血管拡張像が主体であった.出血性放射線胃炎4例にアルゴンプラズマ凝固法(APC)が施行されたが,腹部リンパ節照射後の3例でAPC抵抗性であった.腹部リンパ節照射後の肝硬変症例では,放射線胃炎を高頻度に認め,APC治療抵抗性の出血性放射性胃炎が多く認められる傾向のあることが示唆された.