Progress of Digestive Endoscopy
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臨床研究
当院における咽頭・食道の同時性重複癌の診断と治療法の検討
高橋 厚子門馬 久美子藤原 純子三浦 昭順
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2017 年 91 巻 1 号 p. 47-51

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抄録

2004〜2013年に咽頭・食道同時性重複癌と診断し治療を行った50例を対象とした.咽頭癌は表在癌31例,進行癌19例であり,食道癌は粘膜癌25例,SM1癌3例,SM2癌3例,進行癌19例であった.今回,食道癌は粘膜癌と内視鏡治療の相対的適応SM1癌を含めER群として扱った.表在癌の70〜90%は検診あるいは他癌精査時の内視鏡検査で発見されており,進行癌の70〜80%は有症状で発見されていた.治療は,病変の進行度,存在部位,大きさや個数,喉頭機能の温存,年齢・全身状態の5項目について検討し,進行度と生命予後を規定する因子を中心に治療内容や治療の順番を決定した.1)咽頭表在癌+食道癌ER群19例では,咽頭癌の74%,食道癌の84%に内視鏡治療を行い,ともに内視鏡治療例は13例(68%)であった.咽頭癌では多発,食道癌は壁深達度,全周性,多発を理由に,放射線療法あるいは外科手術を施行した.原病死は1例(5%)であった.2)一方が進行癌の症例では,進行癌を対象に化学療法+外科手術,CRT,化学療法などを行ったが予後は不良で,食道進行癌+咽頭表在癌11例のうち,生存は2例のみであり,7例(64%)が原病死した.咽頭進行癌+食道癌ER群9例 or 食道SM2癌2例の計11例でも生存は4例のみであり,6例(55%)が原病死した.進行癌+表在癌では,表在癌に対する積極的な治療例は20%程度であった.3)咽頭癌+食道癌ともに進行癌の8例では,CRT,化学療法+RT,外科切除などを行ったが,生存は手術例1例のみであり,6例(75%)が原病死した.

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© 2017 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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