消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
石灰化を伴った胃体部巨大迷入膵の1例
萩原 徹武村 隆弘横手 美智子久山 泰大沢 仁山中 正己横畠 徳行冲永 功太今村 哲夫
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キーワード: 迷入膵, 石灰化
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1993 年 42 巻 p. 202-205

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抄録

 症例は53歳男性。検診にて平成元年から胃に異常陰影を指摘され,当科にて精査を行った。胃内視鏡検査にて,胃体上部大彎にbridging foldを伴う直径約4cm大の粘膜下腫瘤を認め,表面にはdelleを有し,cysticで軟らかいものであった。これに対し,吸引細胞診を施行したが,悪性所見は認めなかった。平成3年,腹部単純X線写真にて同部に石灰化を認め,内視鏡的にも増大傾向が認められたため,当院第2外科にて胃楔状切除を施行した。粘膜下腫瘤は一部cysticであり,囊胞内液は漿液性で,生化学検査ではアミラーゼが15,990単位と著明な高値を示した。また組織学的には,石灰化を伴う巨大迷入膵と診断され,まれな症例と考え報告する。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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