消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
巨大結腸ポリープを伴ったPeutz-Jeghers症候群の1例
吉田 誠坂本 輝彦小林 出石原 弘岡野 博猿谷 哲也猿谷 真也斉藤 伸一小林 恒太鷲田 雄二家崎 桂吾岡村 信一関口 利和森 昌朋大和田 進吉田 カツ江
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1993 年 42 巻 p. 277-280

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抄録
 Peutz-Jeghers症候群は消化管ポリポーシスの概念に入る疾患で,消化管での多発ポリープを認めるが,今回われわれは結腸に大きさ4×5cmの巨大ポリープを伴う症例を経験したので報告する。症例は16歳女性。家族歴に特記すべきことなし。平成2年12月,口唇および四肢末端に黒褐色の色素沈着を指摘され皮膚科を受診した。Peutz-Jeghers症候群を疑われ,当科を受診し,胃および大腸内視鏡検査,小腸造影検査にて多発ポリープを認め,大腸ポリペクトミー目的にて当科入院となった。入院後,大腸内視鏡にて,上行結腸の大きさ4×5cmの巨大ポリープに対する内視鏡治療は困難と考え,当院外科にて結腸部分切除,空腸部分切除および術中空腸ポリペクトミーを施行した。また,当科再入院にて胃ポリペクトミーを施行した。本例はPeutz-Jeghers症候群に伴う消化管ポリープに対する内視鏡治療の可能性と限界を示す症例と考えられた。
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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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