消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
胆管用同軸ダイレーターを利用して拡張した食道切除後の高度吻合部狭窄の2例
吉田 繁夫浅田 学鈴木 健士中村 朗糸林 詠紫村 治久高石 佳則
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1993 年 43 巻 p. 134-137

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抄録

 高度の食道胃吻合部狭窄に対し,テフロン製の胆管拡張用同軸ダイレーター(ゼオンメデイカル社)を利用し,狭窄の解除を行った。症例は食道癌および特発性食道破裂の術後の各1例で,狭窄部は前者は直径1mm,長さ3mm,後者は直径2mm,長さ15mmであった。内視鏡直視下に狭窄部にガイドワイヤーを挿入し,続いてX線透視下にガイドワイヤーに被せるようにして直径2mmの同軸ダイレーターを挿入した。さらに重ねて3,4,5mmのダイレーターを被せて挿入し,狭窄部を拡張した。その後Rigiflexバルーンダイレーター(Microvasive社)およびSBMバルーンダイレーター(住友ベークライト社)を使って拡張を続けた。吻合部は十分に拡張され,普通食を食べられるようになった。その後は再狭窄の症状はない。バルーンダイレーターを挿入できないような高度狭窄の解除に同軸ダイレーターが有効であった。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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