消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
内視鏡により摘出しえた大腸異物の3例
木幡 義彰宮原 健夫清水 直樹渡辺 浩一内山 和郎井川 守仁篠原 靖白鳥 泰正窪田 良彦竹下 俊隆宮岡 正明斉藤 利彦古畑 総一郎木下 剛福武 勝秀
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キーワード: 大腸異物, 内視鏡的摘出
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1993 年 43 巻 p. 211-214

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抄録

 症例1は51歳男性。腹痛を主訴に入院した。腹部X線検査にて横行結腸と思われる部位に針様陰影を認め,停滞したため大腸内視鏡検査を施行し,生検鉗子を用いて横行結腸より縫い針を摘出した。症例2は61歳女性。義歯誤飲にて受診した。腹部X線検査にて上行結腸に異物を認め,大腸内視鏡検査を施行し,生検鉗子およびポリペクトミー用スネアを用いて義歯を摘出した。症例3は59歳男性。自慰行為にて肛門から挿入したバイブレーターが抜去困難となり受診した。大腸内視鏡検査を施行し,スネアを用いて摘出した。3例とも摘出による合併症の出現はなかった。異物は時に消化管穿孔や出血などをひき起こし,外科的処置が必要となる場合がある。内視鏡的異物摘出は上部消化管においては普及しているが,下部消化管ではまれである。大腸異物の内視鏡的摘出は安全かつ有用な手技であると考えられた。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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