消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
オフロキサシン投与後に発症した偽膜性大腸炎の1例
藤田 昌明大井 通正古高 和生水嶋 潔高橋 泰行
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1993 年 43 巻 p. 218-220

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抄録
 症例は68歳の男性。尿路感染症にてオフロキサシン(300mg/日)を内服したが,投与10日目頃より腹痛,下痢,発熱などの症状がみられ,12日目に入院した。同日行った内視鏡検査にて偽膜性大腸炎と診断した。オフロキサシンの中止とともに,バンコマイシン(1,000mg/日)の内服を開始した。症状は速やかに軽快し,バンコマイシン投与5日後の内視鏡検査にて偽膜の消失を確認した。オフロキサシンによる偽膜性大腸炎の報告は,自験例を含め6例であった。オフロキサシンなどのニューキノロン系抗菌剤による偽膜性大腸炎の報告が増加しており,注意を要すると思われた。
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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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