消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
エタノール局注止血が有効であった放射線照射性腸炎の1例
中島 俊一石井 俊也松村 修志井上 博和石塚 俊一郎小沢 政成坂井 謙一岸 秀幸長谷川 毅五十嵐 良典藤沼 澄夫酒井 義浩
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1993 年 43 巻 p. 221-223

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抄録

 症例は79歳女性。平成2年7月に子宮頸癌のため放射線治療を受けた。平成4年11月頃より時々血便が出現するようになった。平成5年2月心不全の悪化のため入院したが,血便が持続するため大腸内視鏡を施行したところ,S状結腸中部の肛側には放射線治療が原因と思われる血管透過性の減少した粘膜を連続性に認め,またS状結腸中部と直腸中部に出血点をもつ潰瘍を認めた。潰瘍からの出血は浸出性であったが,持続性であった。無水エタノールの局注を選択し,止血しえた。

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© 1993 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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