消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
臨床研究
胸部食道癌術後に発見された頸部食道表在癌の検討
久居 弘幸山口 肇白尾 国昭斉藤 大三近藤 仁横田 敏弘佐藤 正昭福田 治彦横山 正山尾 剛一岡 政志吉森 正喜小黒 八七郎渡辺 寛加藤 抱一落合 淳志
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1994 年 44 巻 p. 64-67

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抄録

 胸部食道癌の根治術後に残置頸部食道に発生した食道表在癌4例を経験した。全例内視鏡検査にて発見され,内視鏡的肉眼型は0-Ⅱc3例,0-Ⅱb1例であり,治療は手術が2例,放射線治療,レーザー治療が各々1例であった。当院にて1985年1月から1993年6月までに切除された術前未治療の食道癌切除417例中85例(20.4%)が同時性多発癌であり,多発食道癌の頻度は極めて高いものである。従って,ヨード染色を併用した内視鏡検査による治療前の食道全長に対する十分な検索は言うに及ばず,根治術後においても異時性に発生する食道癌を念頭においた残食道に対する定期的な経過観察が重要である。

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© 1994 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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