消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
2年間の経過観察中内視鏡的に顕著な自然退縮を示した食道癌の1例
猿木 清文輿石 剛三芳 端従二 雅美広田 文雄永井 孝三賀古 眞古江 尚
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キーワード: 食道癌, 自然退縮
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1994 年 45 巻 p. 114-116

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抄録

 症例は82歳女性。気管支喘息,高血圧の加療中,消化器症状にて上部消化管造影を施行し,食道癌を疑われた。上部消化管内視鏡にて歯列より約30cm,2時方向に小結節扁平隆起性病変を認め,X線,内視鏡所見,生検より表在隆起型食道癌(中分化型扁平上皮癌)と診断した。内視鏡的切除など各種治療を検討したが,年齢,全身状態などにより未治療のまま経過観察となった。定期的に内視鏡を実施していたところ,約2年後の内視鏡検査において著明な退縮を認めた。悪性腫瘍の自然退縮は極めてまれな現象であり,頻度は悪性腫瘍6万例から10万例に1例とされており,とりわけ消化器癌ではまれとされている。今回,自然退縮した食道癌を内視鏡的に経過観察しえた1例を経験したので報告する。

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© 1994 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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