抄録
早期胃癌61例を対象に内視鏡的胃粘膜切除術(EMR)の適応決定のため,ソノプローブSP101ならびにSP501を用い,深達度診断を行った。m癌では正診率95%,sm癌では67%であった。sm癌では粘膜下層のリンパ濾胞や粘膜筋板の肥厚,結核結節などをsm浸潤とover diagnosisする傾向にあった。しかし,内視鏡的には判断できなかった病巣内潰瘍瘢痕の存在を超音波では捉らえられた。EMRの適応をより正確に判断するためには,内視鏡検査所見に加えて,直視下での超音波所見を加味し判断することは有意義であると考えられた。