1995 年 46 巻 p. 62-64
クマガイサテライトクリニックにおいては,開設以来15カ月間の総検査件数は上部消化管3,010例で,ポリペクトミー・粘膜切除が156例,全大腸内視鏡検査599例のうちポリペクトミーは270例であった。従来の概念でいえば,入院のうえ切除すべき適応と考えられている大きいポリープを,後出血を予防することにより,外来でも処理できるように種々の方法を考案してきた。その1つとして,1993年9月より蜂巣の開発した留置スネアを用いて食道の平滑筋腫1個,胃の巨大ポリープ2個,盲腸の平滑筋腫1個,結腸のポリープ13個を切除した。それぞれの症例における技術的問題について検討した。また粘膜切除後の人工潰瘍に対して,潰瘍辺縁に数個のクリップを掛けて止血し,更にそのクリップの基部にスネアを掛けて,クリップを1本にまとめ,人工潰瘍の縫合を試みたので報告する。