消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
臨床研究
食道異所性皮脂腺10例の検討
津久井 充広山口 肇白尾 國昭近藤 仁石濱 徹義平山 敦清水 靖仁佃 博小松 嘉人小野 裕之山尾 剛一横山 正小黒 八七郎中西 幸浩落合 淳志下田 忠和
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1995 年 46 巻 p. 65-68

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抄録

 食道異所性皮脂腺は極めてまれとされているが,当院で経験した10例について検討した。平均年齢は61.9歳で,性比は7 : 3と男性優位であった。占居部位ではⅠmが高頻度であり,また7例(70%)が多発性病変であった。大きさは最大径1mm未満のものが5例と半数を占め,また5mm以上のものも2例認められた。内視鏡的には黄色調を帯びた白色隆起として認められ,比較的大きなものでは胃黄色腫様の像を呈すが,1mm未満のものでは微小な黄白色斑として認められた。ヨード染色では境界がやや不明瞭な不染,もしくは淡染像を示した。また今回,食道異所性皮脂腺の有無を注意深く検索した2カ月間の通常内視鏡検査774例中6例(0.8%)に発見されており,食道異所性皮脂腺は“極めてまれなもの”ではないことが示唆された。

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© 1995 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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