消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
原発性骨髄線維症より門脈圧亢進症をきたし食道静脈瘤硬化療法を繰り返した1例
竹森 政樹岡本 真紀代箭頭 正徳上野 義隆仲村 洋鈴木 紘一高橋 隆一
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1996 年 49 巻 p. 96-99

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抄録

 原発性骨髄線維症より門脈圧亢進症をきたし,食道静脈瘤硬化療法を繰り返した1例を報告する。症例は46歳,女性。昭和49年血小板減少を指摘され,脾機能亢進として脾摘除を施行し,この際原発性骨髄線維症と診断された。平成7年10月吐血にて入院。食道静脈瘤よりの出血と診断し,内視鏡的治療を繰り返した。門脈圧亢進の原因として明らかな肝硬変の所見なく,原発性骨髄線維症との関連を考え,腹部CT,腹部血管造影を行い,門脈本幹に血栓像を認めたが,門脈血流は十分保たれており,肝内門脈の血流障害が考えられた。原発性骨髄線維症と門脈圧亢進症との合併を考える上で示唆に富む症例と考え,文献的考察を加え報告する。

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© 1996 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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