1998 年 51 巻 p. 116-119
腸管切除術を施行したにもかかわらず,リンパ節再発した大腸sm癌の3例を経験したので報告する。症例1 : 67歳,男性。直腸(Ra)Ⅱa+Ⅱcに前方切除術(D2)施行した。病理所見は中分化腺癌,sm3,n1(+),ly2であった。約5カ月後5cm大のリンパ節腫大を指摘され,Hartmann手術を施行したが,絶対非治癒であった。担癌生存中である。症例2 : 56歳,女性。下行結腸Ⅰsに結腸左半切除術(D2)施行した。高分化腺癌,sm3,n1(+),ly2であった。約2年後10cm大のリンパ節腫大を指摘され,左腎,小腸および結腸合併リンパ節摘出術を施行したが,絶対非治癒であった。その約7カ月後永眠した。症例3 : 77歳,女性。直腸(Rs)Ⅰsに前方切除術(D3)施行した。中分化腺癌,sm3,n2(+),ly3であった。約11カ月後局所,大動脈周囲リンパ節再発し,約30カ月後永眠した。