消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
早期大腸癌の内視鏡的切除後に生じた過形成性ポリープの1例
今枝 博之都築 義和宮口 信吾海老沼 浩利永田 篤文岩男 泰
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1999 年 53 巻 p. 104-107

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抄録
 症例は62歳,男性。検診で便潜血反応陽性を指摘されたため,当院内科を受診。注腸造影と大腸内視鏡検査で,S状結腸に径15mmの太い茎を有し,発赤調で緊満感のあるⅠp型早期大腸癌を認めたため,癌部近傍でポリペクトミーを施行し,切除断端をクリップで縫縮した。病理組織学的には乳頭管状腺癌で深達度sm2,断端に癌陰性であった。ポリペクトミー後17日目に大腸内視鏡検査を再検したところ,切除部位に発赤の強い分葉したⅠp型ポリープを認めた。S状結腸切除術を施行し,ポリープは過形成性ポリープであった。早期大腸癌の内視鏡的切除後に生じた過形成性ポリープは極めてまれであり,その機序として,周辺粘膜のポリープの生じやすい素因に加え,高周波による焼灼潰瘍の形成,クリップによる縫縮,蠕動運動や糞便による物理的刺激などが上皮の過剰再生を促進したものと考えられた。
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© 1999 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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