抄録
症例は24歳,女性。主訴は心窩部痛,嘔吐。血液生化学検査で肝機能の悪化がみられ,精査加療目的で入院。腹部超音波,CT,ERCPなどの検査で,肝左葉に胆嚢が位置する左側胆嚢と考えられた。さらに総胆管の嚢腫状変化を認め,左右肝内胆管が肝門部を中心に拡張し,共通管を形成する膵胆管合流異常からAlonso-LejのⅠ型と診断した。手術は嚢腫を含めた胆管切除,胆嚢摘出,肝管・空腸吻合術を施行した。病理組織学的には悪性疾患を認めず,炎症所見のみで,胆汁中のアミラーゼは88,680U/lと高値を呈していた。その他の検索で内臓逆位などの合併奇形はみられなかった。左側胆嚢は特異的な症状がなく,診断困難なことが多い。また膵胆管合流異常および先天性胆道拡張症は,高率に胆道悪性腫瘍を合併することが知られている。今回,両者を合併した成人症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。