消化器内視鏡の進歩:Progress of Digestive Endoscopy
Online ISSN : 2189-0021
Print ISSN : 0389-9403
症例
食道静脈瘤硬化療法後,壁内血腫からの大量出血の1例
渋谷 進高瀬 靖広澤野 達哉河島 孝彦近森 文夫木村 正樹福江 眞隆神山 幸一
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1999 年 53 巻 p. 66-69

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抄録
 食道静脈瘤に対する内視鏡的硬化療法後,呼吸困難,意識消失に続いて,大量吐血を伴った重篤な食道壁内血腫の1症例を経験した。症例は73歳,女性。初回予防治療例であった。第3回治療時に静脈瘤内注入後,組織内注入を行った。治療後早期から嚥下困難および前胸部痛がみられた。その後,徐々に大きくなった血腫が気管を圧迫し,呼吸困難と意識消失が急におきたので,挿管を行い症状は改善した。その後,血腫の大きさは変化しなかったが,数日後大量吐血し,SB tube挿入にて止血した。止血後,SB tubeは抜去され,次日抜管した。現在,治療後10カ月になるが,再発はみられていない。これまでの報告では,血腫は重篤になりにくいとされていた。しかし,本症例では気管を圧迫するほど血腫が大きくなった。このことは血腫内圧が異常に高くなったためと考えられる。その成因の1つとして,静脈瘤付近に存在する動脈が硬化療法時に穿刺され,出血したためと考えられた。
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© 1999 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
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