抄録
北海道鹿部町の精進川鉱山跡地における鉱山廃土堆積場(AM-M),および近隣の森林(AM-F)において,土壌調査および4つの分類基準(日本土壌分類体系・林野土壌分類・Soil Taxonomy 2022・WRB 2022)に基づく土壌分類を実施した。AM-Mでは,硫黄鉱山廃土の上に覆土が行われており,覆土層と鉱山廃土層それぞれで土壌の化学性などが大きく異なっていた。また硫黄の鉱染交代による漂白を確認することができた。分類結果は順に“台地盛土造成土(砂質未熟土/硫黄鉱山廃土盛土造成相)”・“適潤性黄色系褐色森林土(yBD)”・“Anthroportic Udorthents”・“Spolic Technosols (Arenic, Hyperartefactic, Transportic)”であり,それぞれの分類基準における造成土の考え方・判定基準の違いが浮き彫りとなった。一方,AM-Fは火山砕屑岩・火山灰の影響を受けており,タニガワハンノキなどの落葉広葉樹が優先していた。また,傾斜地における土砂の移動と再堆積を経て,非常に複雑な土壌断面の構成が観察された。分類結果は順に,“普通アロフェン質黒ボク土(適潤性相)”・“適潤性褐色森林土(BD)”・“Acrudoxic Hapludands”・“Silandic Andosols (Loamic, Acroxic, Humic)”であった。