抄録
この研究の目的は,同一患者のフラップ手術でのNd: YAGレーザー照射と消炎鎮痛剤の内服による術後疼痛緩和効果をVisual Analogue Scale (VAS) にて比較することである。
今回の研究は10名58歯を対象とした。通法に従って歯肉弁翻転後,ルートプレーニングおよび骨欠損の掻爬を行った。実験群は10名34歯でNd: YAGレーザーを歯根面,骨欠損内部,歯肉弁内面におのおの3.0 w,30秒,3回照射した。さらに,術直後に1.5 w,1分,3回照射した。対照群は10名24歯でレーザー照射を行わず,術後に消炎鎮痛剤を内服させた。VASは2日間記録し,1日目は術直後から6時間後まで1時間ごとに,2日目は起床後から6時間後までとした。
計学的分析の結果,術後3時間から4時間後のVASは実験群で有意に高値 (p<0.05) であったが,起床後では統計学的有意差は認められなかった。
今回の研究では,フラップ手術でのNd: YAGレーザー照射は消炎鎮痛剤の内服での術後疼痛緩和効果とほぼ同等であることが示唆された。