日本歯周病学会会誌
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原著
サポーティブペリオドンタルセラピー期間の早期に必要とされる予防的なスケーリング・ルートプレーニングの細菌学的根拠
藤瀬 修和田 裕彰濱地 貴文三浦 真由美松本 明子井上 健司野田 大輔甲斐田 光前田 勝正
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2007 年 49 巻 1 号 p. 20-26

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抄録
サポーティブペリオドンタルセラピー(SPT)開始時に残存していた歯周炎未改善部位の更なる進行を予防するためには,局所麻酔下のスケーリング・ルートプレーニング(SRP)の適用が有効ではないかと考えられる。本研究ではSPT開始から1年以内の歯周炎患者を任意に選択し,局所麻酔下SRPの実施状況についてアンケート調査を行った。集積された結果によると,SPT開始時に未改善部位を残した患者が多く確認され,SPT期間中に約30%の患者が局所麻酔下のSRPを受けていた。そのSRP実施の臨床的根拠としては,64.3%がポケット深さ(PPD)の増加を予防するために行われている実態が明らかになった。しかし,SPT期間中の予防的な局所麻酔下SRPをどの程度の間隔で行えばよいのかは未だに確立されていない。そこで,SRPを伴わないSPTによる歯周病原細菌の抑制効果を平均4.5ヶ月間調べてみた。その結果,SPT期間中にPPDの変化がなかった部位であっても Porphyromonas gingivalisP.g ) の有意な増加が確認された。特にSPT開始時に4mm以上のPPDが残存していた部位では, Pg 細菌数は初診時に近いレベルまで後戻りしていた。従って,SPT開始時に残存していた未改善部位に対しては,後戻りした歯周病原細菌の除去を目的とする予防的な局所麻酔下SRPを,SPT期間の早期に実施する必要性が示唆された。
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© 2007 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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