日本歯周病学会会誌
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原著
重度歯周炎患者の歯周治療の予後に影響を及ぼす患者レベルのリスク因子分析
三辺 正人高野 総美原井 一雄稲垣 幸司長岐 祐子漆原 譲治児玉 利朗香月 麻紀子杉山 貴志佐藤 トク子河野 寛二中西 利依東 克章本田 三奈中澤 正絵清野 浩昭谷口 威夫堀内 順子山本 裕子金子 至伊藤 美穂牧野 明畔川 澄枝加藤 万理野口 俊英
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2013 年 55 巻 2 号 p. 170-182

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抄録

重度歯周炎患者の患者レベルの治療反応性および予後リスク因子とサポーティブ治療(Supportive Periodontal Therapy:SPT)期の歯の喪失や歯周炎の進行(再発)との関連性について評価した。SPT 管理中の重度歯周炎患者 208 名の初診,スケーリングルートプレーニング(Scaling and Root Planing:SRP)後,SPT 開始時,最新 SPT 時の病歴および治療歴をデータベース化した。SRP 後に 6 mm 以上の歯周ポケット深さが 2mm 以上減少した部位率が 70%未満を治療抵抗性歯周炎(Therapy Resistant Periodontitis:TRP)と定義した。また,多因子予後リスク診断法として歯周病リスク評価モデル(Periodontal Risk Assessment Model:PRA)を用いた。 歯の喪失と再発のリスク分析には,ロジスティック回帰分析法とカプランマイヤー生存曲線分析法を用いた。初診時の予後リスク因子と歯の喪失には,有意な関連性は認められず,喪失歯数と喫煙が再発の有意なリスク因子であった。TRP は歯の喪失の,また,SPT 期の不定期受診は再発の有意なリスク因子であった。歯の喪失リスク予測に関する分析で,TRP や不定期受診では SPT 開始直後から,一方,PRA で高リスクの場合は SPT 開始後約 5年経過時から歯の喪失イベントの発生率が増加傾向を示し,後者では有意差が認められた。本研究結果から,重度歯周炎患者の予後リスク評価における TRP 診断の有用性が示唆された。また,患者レベルのリスク診断法の各々の特性を生かすことにより,リスク予測精度が向上する可能性が示唆された。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)55(2):170-182,2013

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© 2013 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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