抄録
本学では,質の高い教育を行うために,2007 年度から毎年,講義,実習内容に関する学生の意識調査を行い,学生教育へのフィードバックを図っている。今回は,松本歯科大学第 4 学年の学生に実施している歯周病学模型実習における,実習状況の把握,実習内容の再考と改善のため,学生に対して行った 7 年間のアンケート調査の内容,および分析結果を模型実習の概要とともに報告する。 アンケート項目は,歯科保存学講座で独自に作成した 13 項目であった。それぞれを 5 段階方式で評価し,上位 2 段階が占める割合を満足割合,下位 2 段階を不満足割合とした。また,学生数との相関関係を検討し,統計学的分析は,Pearson の相関係数の順位差検定を用いた。学生数と不満足度得点の相関では,「自分の座席の位置」の項目が相関係数 0.915 で,最も学生数と有意な相関が認められた。さらに,「実習帳」,「ビデオデモ」においても有意な相関が認められた。また,「デモ机の位置」,「模型」,「OSCE 実習」においては,統計学的に有意ではなかったが,学生数が増えると不満足度得点が高くなる傾向がみられた。これらのことから,学生数が,実習環境,実習内容に影響していると考えられる。常に教育方法の妥当性の評価,問題点の抽出を行うことは重要であり,その一つの手法として,学生を対象としたアンケート調査は重要な方略であると考えられる。 日本歯周病学会会誌(日歯周誌)56(3):330-341,2014