日本歯周病学会会誌
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原著
アラントイン, グリチルリチン酸ジカリウム, アズレンスルホン酸ナトリウム水和物は糖化を抑制することで最終糖化産物による歯肉炎症を抑制する (in vitro)
柚鳥 眞里本山 実穂山口 継乃木村 光夫西永 英司
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電子付録

2022 年 64 巻 1 号 p. 25-35

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抄録

最終糖化産物 (AGEs) は, 歯周組織中タンパクを変性させると共に炎症を誘発することで歯周病の発症・進行に影響を与える. その為, AGEの形成自体と蓄積したAGEによる炎症の両方を抑制することが歯周病予防に有効であると考える. そこで本研究では, 口腔ケア製品に含まれる抗炎症成分でAGE形成抑制作用も有する成分を見つけることを目的とした. 抗炎症作用が知られる口腔ケア製品配合成分としてアラントイン (ALA), 6-アミノヘキサン酸, グリチルリチン酸二カリウム (GKII), 塩化リゾチーム, アズレンスルホン酸ナトリウム水和物 (AZU) のAGE形成抑制作用をin vitroで評価した. また, これら成分の抗糖化作用が歯周病に与える影響を検証する為, 各成分の存在・非存在下で形成したAGEをヒト歯肉線維芽細胞 (HGFs) に処置, 培養上清中のIL-6量をELISAで解析した. その結果, ALA, GKII, AZUにAGE形成抑制作用を見出した. 更に, 各成分存在下で糖と反応させた牛血清アルブミン (BSA) は, 糖のみと反応させたBSA (AGE) と比較してHGFsのIL-6産生をin vitroで抑制したことから, これら成分がAGE形成を阻害することで, 歯肉炎症を防ぐ可能性が示唆された. 我々のin vitro研究結果から, これら成分は抗糖化と抗炎症の両作用によって歯周病予防効果を発揮している可能性が示された.

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© 2022 特定非営利活動法人 日本歯周病学会
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