日本歯周病学会会誌
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症例報告
歯科介入により高齢者糖尿病を有する広汎型慢性歯周炎患者に対して歯周基本治療により血糖コントロールの改善に至った症例
徳丸 操永原 隆吉上田 智也河野 祥子岩田 倫幸應原 一久水野 智仁
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2024 年 66 巻 3 号 p. 116-123

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抄録

糖尿病と歯周病はその関係性が示されており,超高齢社会を迎えている日本では,高齢糖尿病患者の医科歯科連携をさらに推進する必要がある。特に高齢糖尿病患者は,認知障害,日常生活動作障害,低血糖,多疾病合併などを有する可能性が高いため,糖尿病診療ガイドラインでは,年齢,機能状態,低血糖リスクに応じた血糖目標値を個別に決定する必要があるとされている。本症例は糖尿病を有する広汎型慢性歯周炎(Stage IV,Grade C)の高齢患者に対して医科歯科連携の下,歯周基本治療を行うことによって,良好な予後を得た症例を報告する。

患者は当院入院中の74歳女性,上顎前歯部の脱離を主訴に整形外科から紹介された。歯周炎症表面積(PISA)は1341.5 mm2で,全顎的に発赤,腫脹,排膿および多数歯動揺を認め,血糖コントロール不良な歯科未受診の高齢糖尿病患者(HbA1c:8.2%)であった。そこで,内科主治医に歯周病の情報提供のもと,患者の同意を得て歯周治療開始となった。

歯周治療開始から患者は生活習慣の改善をさらに意識するようになり,歯周基本治療のみでPISAの顕著な減少とガイドラインにおける高齢糖尿病患者の血糖コントロール目標範囲内にHbA1cは改善された。医科歯科連携によって医療従事者が両疾患の相互関連性を認識することは,特に超高齢社会において重要であることがわかった。

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