日本歯周病学会会誌
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原著
歯周炎の進行と咀嚼機能に関する研究
本田 虎太郎佐藤 匠辰巳 順一
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2026 年 68 巻 1 号 p. 25-38

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抄録

歯周病の進行に伴いに咬合力や咀嚼能率が低下することが知られている。しかし,ファセット比率や睡眠時ブラキシズムとの関連性についての報告は少ない。本研究は,Stage,Grade分類,骨吸収率,咬合力,咀嚼能率,ファセット比率,および睡眠時ブラキシズムの関連性を検討した。

Stage間で有意に咬合力,咀嚼能率が低下し,歯周炎が重症化すると咬合力,咀嚼能率が低下することを示した。さらに,Gradeの進行によっても咬合力,咀嚼能率がともに有意に低下したことから,進行速度が急速な場合にも咬合力,咀嚼能率が低下することが確認された。Stage IV,あるいはGrade Cの被験者では,歯の咬耗が有意に少ないことが認められた。これは,急速に歯周病が進行し,歯の咬耗が進む以前に歯槽骨が吸収され,歯の動揺が起こることで咬耗が少なくなったと考える。歯周炎の重症度,進行速度と睡眠時ブラキシズムの咬みしめ強さや1時間あたりの咬みしめ回数に相関性は認められなかった。以上のことから,歯周炎の重症度が高く,進行速度が急速になるに伴い咬合力,咀嚼能率が低下することが判明した。ファセット形成は歯周炎が急速に進行し,重症化した場合に抑制されることが示唆された。急速に歯周炎が進行し,周囲組織に破壊が認められても睡眠時ブラキシズムの咬みしめ回数や咬みしめ強さに影響がないことが明らかとなった。

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