日本歯周病学会会誌
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原著
ゲノム編集技術を用いた日本人高カバー率擬似HLAハプロタイプホモ歯髄細胞ストックの構築方法
有本 周平川口 知子辰巳 順一手塚 建一
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2026 年 68 巻 2 号 p. 59-69

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抄録

ヒト白血球抗原(HLA)は自己と非自己を区別する役割を果たす。ドナーのHLA遺伝子がハプロタイプホモである場合,レシピエント側のHLAハプロタイプの少なくとも一方と合致すれば移植が可能である。しかし,HLAハプロタイプホモドナーの出現率は約100人にひとりと低く,日本人全部をカバーする細胞ストック構築は困難である。

われわれは,177人の歯髄提供者のHLA型を調べ,日本人の8割以上をカバーし得るHLAハプロタイプが含まれていることがわかった。そこで,HLA-A*02,33;B*44,-;DRB1*13,-のHLA型を持つ歯髄細胞(DP144)を選び,HLA-A*02ローカスに遺伝子欠損を誘導することで,擬似的なHLAハプロタイプホモの遺伝子型を持つ細胞の作製を試みた。HLA-A*02ローカスを特異的に切断するよう設計したZinc Finger NucleaseをDP144に導入し,抗HLA-A02-FITCで細胞を蛍光標識したのち,FACSを用いてHLA-A02陰性画分を分取し培養を行った。

HLA-A02陰性画分の遺伝子配列を解析した結果,HLA-A*02アリルに選択的な塩基の置換や欠失,挿入の他,HLA-H領域との融合変異を認めた。実験によって擬似的HLAハプロタイプホモ細胞が誘導できたことは,将来の移植用細胞バンクの構築に貢献し,再生医療の発展へと繋がるだろう。

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