1985 年 27 巻 2 号 p. 352-368
歯ブラシ線維の先端を使用して刷掃する代表的なブラッシング法である scrubbing について, 歯ブラシ線維の損耗がブラッシング時の歯みがき圧および歯垢除去効果にどのような影響を及ぼすかを, in vivo および in vitro の両面から検討した。
すなわち in vivo 実験では, scrubbing 法を被検者に行わせ, 歯ブラシ線維の損耗と歯みがき圧との関連性について経週的に観察を行った。
また, in vitro 実験では, metallic plate に gold coating をほどこして実験的歯垢を作成し, ブラッシングマシンで scrubbing 法と同じブラッシング動作を行い, 歯ブラシ線維の損耗が歯垢除去効果にどのような影響を及ぼすかについてより客観的に評価した。
以上のことから scrubbing 法によるブラッシングにおいては, 歯垢除去の面から歯ブラシは4週間用いると新しいものと交換すべきであると結論した。