日本歯周病学会会誌
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局所的fibrin形成材料の歯周治療への応用
臨床応用の可能性について
三辺 正人古郷 辰二田村 利之早瀬 一雄島田 典嗣一之瀬 由喜子三輪 裕子堀 俊雄渡辺 是久阪本 泉藤浦 敏治
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1986 年 28 巻 1 号 p. 203-212

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抄録

歯周外科手術に局所的fibrin形成材料を応用し, そのfibrin形成能を人為的に変化させた場合, 治癒形式にどの様な変化が生ずるのかを検索する目的で実験を行なった。
今回は, 局所的fibrin形成材料の紹介と, fibrin形成量, 形成されたfibrinの周囲組織との結合力, fibrin形成時期および周囲組織との反応について基礎的検討を行なった。
その結果, 局所的fibrin形成材料は, (1) 操作性が簡便である。 (2) 種々の担体に固定化し創部へ応用できる。 (3) 周囲組織との親和性に優れ, fibrinnetworkを早期に形成・維持する。などの特徴を有することが解った。すなわち, 本材料は, 歯周外科手術後の創傷治癒機転にfibrinがどの様に関与しているのかを知る上で有用な材料であることが示唆された。

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