日本歯周病学会会誌
Online ISSN : 1880-408X
Print ISSN : 0385-0110
ISSN-L : 0385-0110
フラップ手術時の血圧変動について
深井 浩一長谷川 明
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 28 巻 1 号 p. 213-227

詳細
抄録

正常血圧を有する歯周疾患患者33名に対するフラップ手術時の血圧変動を操作時別, また5分毎に自動血圧計を用いて測定, 検討し次のような結論を得た。
フラップ手術時の全体的な血圧変動は, 麻酔開始により最大血圧, 最小血圧ともに有意に上昇 (6.8%, 5.1%) し, その後手術操作の進展によって下降することなく麻酔開始時と同程度の上昇が維持された。手術操作の後半, 最も時間を要するルートプレーニング時には, さらに有意に血圧は上昇し同時に変位の幅が増大してくるのが認められた。術後30分では, 術中に比し最大血圧は減少し最小血圧は上昇したが術前安静状態には回復しなかった。
術中の平均血圧上昇率は, 最大血圧で6.0%, 最小血圧で4.3%であった。

著者関連情報
© 特定非営利活動法人日本歯周病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top